日本、東京(2023年12月8日)— アジア開発銀行(ADB)と国際協力機構(JICA)は、JICAが最大15億ドルを出資する、アジアインフラパートナーシップ信託基金2(Leading Asia's Private Infrastructure Fund 2: LEAP 2)を設立する合意書に署名した。この基金は、アジア・太平洋地域における質の高い、強靭で持続可能なインフラプロジェクトに協調融資することを目的としている。

LEAP 2は、2016年3月に開始されたLEAPの後継基金である。LEAP 2は、ADBのプロジェクトに商業融資と譲許的金融を提供することで、ADBの民間セクター業務を引き続き支援する。ADBは、この基金の管理と運営を担う。LEAP 2は、年間約1兆7,000億ドルのインフラ資金需要があると推定されるアジア・太平洋地域における貧困削減というADB の使命に貢献する。

浅川雅嗣ADB総裁は、「気候変動の影響が深刻化する中、アジア・太平洋地域において質の高い持続可能なインフラへの需要がかつてないほど高まっている」とした上で、「LEAP 2は、追加的な資本動員を通じて急務のインフラプロジェクトにおける資金調達のギャップを埋め、同地域のこの課題への対応を支援する。この新たな基金は、この地域が持続可能な成長を達成するために必要な強固なインフラ開発を支援する上でのADBとJICAの継続的な強い決意を示している」と述べた。

田中明彦JICA理事長は、「LEAPは、アジア諸国の経済基盤となる電力や運輸、通信などのインフラの整備を通じ、アジア諸国の持続的な経済成長に寄与することができた」とした上で、「アジア諸国では膨大なインフラ資金需要に対する資金供給ギャップは依然として大きく、供給とのギャップを解消する上で、民間セクターと開発機関の資金を活用することは不可欠である。JICAは、ADBとの協力をもとに、官民連携など質の高い民間インフラ案件を支援することで、アジア諸国の経済成長に貢献していく」と述べた。

LEAPは、ADBの開発途上加盟国14カ国における35のプロジェクトに対して、10億ドルを超える協調融資を承認した。これらのプロジェクトにより、新たに1.4ギガワットの新規発電容量が確保され、2,794人の女性を含む7,285人分の雇用が創出された。さらに、620万トンの二酸化炭素の排出を回避することに貢献し、再生可能エネルギー部門における78億ドルを含む138億ドルのインフラ投資を促進した。

LEAP 2は、その前身の基金と同じ目的とガバナンスのもとで運営される。資金提供されるプロジェクトは、二酸化炭素排出の削減、エネルギー効率の向上、手頃な価格でアクセス可能な医療、教育、通信サービスの提供を目指している。また、範囲を広げると、インフラと明確な関連性を持つ場合はアグリビジネスや教育も投資対象に含まれる。LEAP 2による支援は主にインド、インドネシア、ウズベキスタン、およびベトナムなどの市場を見込んでいる。

ADBは、極度の貧困の撲滅に努めるとともに、豊かでインクルーシブ、気候変動や災害等のショックに強靭で持続可能なアジア·太平洋地域の実現に取り組んでいる。ADBは1966年に創立され、49の域内加盟国·地域を含め68の加盟国·地域によって構成されている。

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